海外永住者はしっかり増えている
今回は表題の通り、証拠となる数値を用いて「日本から離れ、海外に永住する人は増えている」を証明します。
まずは、出典となる(外務省「海外在留邦人数調査統計」)をご覧ください。
令和4年版が一番新しいので、そちらをご覧ください。
まずは分析:
総数数値を見ると、「海外に居住する方は減っている」となります。
しかしながら、数値は常に内訳詳細を見ることが大切です。
内訳をみると「長期滞在者は減っている」しかし「永住者は増えている」です。
長期滞在者の日本帰国は加速、令和3年度と比較すると約5万人減っています。
永住者は毎年約1万人程度増えていましたが、令和4年度はペースが上がり約2万人が日本を永住的に離れました。
おそらく、海外での事業縮小や国内回帰で海外駐在者は帰国。
そして、お金を持つ資産家層が海外に永住移動していると考えます。
令和5年のデータが加われば、若者の海外移住(長期滞在)も増えているので、数値が大きく動いていると思われます。
そして、興味深いのが「長期滞在は男性、永住は女性が多い」ということです。
おそらく、リタイアメントビザで海外移住する方は「夫婦」で移動すると思います。
よって、5割ほど多い「永住女性」の内訳は、おそらく国際結婚で居住権を獲得して移動していると思います。
**国際結婚についてはだいぶ前の投稿でしっかり内訳を分析しています。
長期滞在者に男性の方が常に多いのも面白い数値データです。
海外駐在は私の経験から「男性」の方が多いのが理由と考えます。
ちなみに中国の長期滞在者・永住者は
令和3年
長期滞在者 10.4万
永住 3,619人
令和4年
長期滞在者 97,926人
永住 4,140人
長期滞在者数の減少は、海外での日本企業の大苦戦・日本への事業回帰で駐在人員の削減が起こっていると思います。
永住できた人とは:
前提ですが、海外の居住権は簡単には獲得できません。
外国人の方が「日本の居住権」を獲得しようとしても、簡単には獲得できません。
当たり前ですが、多額の資産を保有することを証明する必要があります。
そして国家によっては、退職年齢に達して「リタイアメントビサ」を獲得できるようになります。
永住する国家の居住資格を獲得できる人、つまり「相当額資産をお持ちの方」が永住可能となります。
そして、永住するということは全ての保有資産と共に移動することです。
女性の割合が高いので、日本人同士の夫婦で移動した方々ばかりとは考えにくいですね。
令和二年
男性 200,597
女性 329,211
令和三年
男性 203,410
女性 334,252
令和四年
男性 210,351
女性 346,683
日本からの離脱のペースが急上昇しています。
結論:
日本を離れ、海外に永住する人は今後も増え続ける。
永住の権利を獲得した人は「日本国内資産をしっかり処分して、お金とともに移動する」。
そして、
相当にリッチな人たちです。
令和4年度の国民保有総資産統計が発表された時、2000兆円の推移をご注視ください。
きっと、数値が動いていると思います。
お金を借りるには「担保」が必要です、それは国家であっても同様でしょう。